事件

ウォーターサーバーの蛇口で遊んでいて熱湯を出してしまい、右腕を火傷した夜。

夜間救急に駆け込み応急処置をしてもらった後、それまで握りしめていたビスケットをパクパクと食べ始めたラクを見て安堵する。

長く薄暗い夜の廊下で、置き去りにされたクマの縫いぐるみみたいにカチーンと動かずビスケットを食べていた姿は記憶から消えないだろう。