これっきりにして”奇跡”

自ら量りに乗って体重を教えてくれるミーアキャット
自ら量りに乗って体重を教えてくれるミーアキャット

飯田動物園にウタラクを連れていったGWの初日、私はとんでもないことをした。そして奇跡の結果が待っていた。そのお話です。

 

出掛けにお財布が文字通りカラッポだったので、コンビニでお金を降ろすことにする。と、ウタも勝手に車から出て、店内に入るなり何やら物色。そっちを気にしながら1万円引き出して、カードと領収証を取り、ウタを呼んで車に戻り動物園に直行する。動物園の隣の駐車場は、最初の1時間は無料。次の30分から100円ずつ加算される。満車だったので暫し待ってから入り、浮かれる2人を連れて足取りも軽く園内へ。

飯田動物園をぐるっと1周するのに1時間はかからない。そのくらい小さくて物珍しい動物がいないのは幸いだった。園の片隅にはコインで動く乗り物コーナー。ウタラクが走って行って、その辺既にご承知のウタがお金をせびりに戻ってきたのでお財布を開けつつ両替機へ。と、あれ?さっき降ろしたはずの万札が無い。どこを探しても無い。さーーっと血の気が引く。まさか…。その瞬間、駐車料金のことが頭に浮かぶ。1時間を超えたら最低100円。今お財布には...12円!!

「ウタ。緊急事態。帰っていい?」

引き出したお金を取り出さなかった可能性と、駐車場から出られない可能性の2つで頭がガーンとなっていつもより声のトーンが低い。ヤバイことが起こったらしいと敏感に察したウタが文句も言わず付いてきてくれて、ラクを乗り物からひっぺがしパワーウォークで駐車場へ。

車に乗り込み、パーキングチケットを急ぎ見ると入庫時間は11:26。今は!?(と携帯を見ると)11:24!あと2分…!

最初の奇跡に感謝しつつ、お財布を開けることなく駐車場を出る。そのまま自分を罵りながらお金を降ろしたコンビニへ。こういう場合、99%の確率で次の客が現金を持ち去っているだろうけど、あの時後ろに人はいなかったし、万が一にも店員さんが気付いて保管してくれてたりしないだろうか…などと、3歳児相手にペラペラペラペラ。

コンビニに着いてATMに向かい、そっとキャッシュカードを入れて残高照会ボタンを押す。一番低い可能性だが、もしかしたら…もしかしたら、と淡い期待を抱きつつ。すると…

あった~~~っ!!!!

引き出した1万円が、口座にちゃんと戻っていた。きっと一定時間取らないとフタが閉まって元の口座に戻るのだろう。けど、東京だったらこんなことはあり得ない。ピンコンピンコンATMが鳴って、自動音声が「現金が残っています」などと言っていたら、持って行かれないわけがない。長野って、田舎って、すばらしぃ~~!

と、ショックで血圧が上がっていた事もあり、この日2度目の奇跡に心から感動したら財布の紐も自然ゆるくなった。

今回の件で非常に協力的だったウタに御礼の品を買い、彼は既にチャイルドシートで寝入った妹と分ける必要のないアイスクリームを手に、2人で幸せに家路についたのでした。

 

とにかく結果すべてオーライだったけれど、もう2度と味わいたくない奇跡だった...疲れた。