実家もとい下宿先での生活も折り返し地点を過ぎて、気がつけば残り一月程となった。いろいろあったが、父もとい下宿屋のご主人との仲も修復方向で進み始めたし、私も子供達を(特に)彼の邪魔にならないよう先回り工作できるようにもなった。父もとい下宿先のご主人も、以前に比べて子供達に対する態度が軟化しているような気がする。とにかく皆一度痛い思いをして、それぞれに現状と対峙する何かしらの方法を学んだようだ。
さて、我が実家では何事も可及的速やかに行わなければならないという暗黙のルールがある。忙しい共働き家庭ならではの性格なのかもしれないが、同様の条件であっても我が家(森山家)がノンビリ系であることを考えると、理由はそれだけではないのだろう。うちは両親共々のんびりしない。母は父がノンビリできないことを嘆くが、私から見たら彼女もかなりノンビリしない。家事、掃除、食事、なんでもとにかく早い。早く始め、早く終わらせる、すぐにやり、すぐ片付ける。お皿を拭かずに自然乾燥させておくのを父に見つかると憮然とした顔で拭き始めるので、母も気が気ではないようだ。
人はそれぞれ独自のペースを持っている。どんな状況下であっても自分のペースを崩さずにいられる人もいるが、通常は自分と違うペースに相対すると多少なりともストレスを感じるのではないか。私の場合、実家の持つペースは速すぎてもう着いていけない。家から独立して自分のペースで生活をはじめ、そのまま結婚して「森山家」のペースとなった。森山家のペースは正直遅い。大抵、常にギリギリだ。直前までノンビリしていて、最後に泡食って急ぐというのが通常パターンで、実家の両親にしたら見ているだけでストレス性胃潰瘍を患うだろう。
そんな両親が私の子育て風景を日々見せつけられたら確かにイライラするかもしれない。逆に両親の家で彼らのペースに合わせて生活しようとする私が毎日苛立って疲労するのも当然の結果に思える。なにしろ、生活ペースがまるで違うのだ。
人それぞれが持つ独自のペース。自分らしくいるためには、自分のペースを守る必要があるのかもしれない。かなり異なるペース配分を持って生活している両親と私とでは、同居がストレスになるのは当然だったのだ。そのことに今さら気付いてもどうにもならないが、今後また居候させて貰う可能性もないとはいえない(と書いたのを両親が読んだらギョっとするだろうが)。その際は、このことに留意して事前に対策を考えて望まなければならない。今回のように、同居がスタートした後でお互いが辛い思いをしないように...
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