アルゼンチン到着

1か月以上前に起きたチリ火山噴火の火山灰が風に乗ってオーストラリアまで飛んできて、その為にブエノスアイレス行きのフライトが欠航を繰り返した。いつ飛べるか分からないのに、待っている間に子ザル達が熱でも出したらフライトが飛んでも我々が飛べない。外食とテイクアウトばかりで、栄養状態も心配だ。その心配から、残念なことに後半のシドニー滞在は心から楽しむことができなかった。幸いにも2匹は大いに元気なままで、助かったのだけど…

オーストラリア人が皆そうなのか知らないが、少なくとも我々が出会ったシドニーの人々は誰もが大抵礼儀よくにこやかで、かなり印象が良かった。これは、シドニーからロスに飛んだ時に久しぶりに大量のアメリカ人を見て、オージーとの違いが歴然としていたのでハッキリ言える。アメリカ人は空港職員というだけで態度が大きく威張っている。人々を列に並ばせるだけに、大声を張り上げて何度も同じことを繰り返す。こちらはまるで家畜になったような気分である。15年以上前にアメリカに暮らしていた時に味わった嫌な思い出がよみがえる。あの頃はそうしたアメリカの側面をポジティブに見ていたが、アラフォーになった私には滑稽にさえ見えた。もちろんアメリカには教養もあり人格も良い素晴らしい人も大勢いる、がその反対も同じくらいいるのだ(と思う)。そういう人たちと対峙することが刺激的に思えた時代もあったが、今の私にその元気はなく、ロスとダラスの空港を経験しただけで、自分がアメリカに住むことは二度とないだろうと静かに確信して、心は急ぎ足でブエノスアイレスに飛んだ。

 

さて、我々がブエノスアイレス到着直後から1週間お世話になるアパートについて…。

仮住まいなので多くは望まないが、それにしても日本の標準的なアパートに比べると悲しくなってしまうような所である。日本的に言えば築50年位のアパート?でもダンナに言わせれば、これがアルゼンチンの標準だという。

まず、コンロに火をつけるにはマッチが必要である。最初は怖くてなかなか火が付けられなかった。火の調節をしていて誤って消してしまったりすると、鍋をどけて再度マッチを擦らなければならない(泣)。その瞬間に鍋を投げつけたくなる。チャッカマンでもあればいいのだろうが、最寄のスーパーにもキオスクにも売っていない。これはマッチが主流だからなのか、チャッカマンが存在しないのか、それすらも分からない。

 

お風呂も問題。159cmの私が最大限に手を伸ばしても届かない所にシャワーがあって(当然ホースはない)、そこから出るお湯の量には限りがある。このアパートについているガス湯沸かし器(上の写真で冷蔵庫の上に見える円柱型のタンク)は小さ目らしく、目いっぱい目盛を回しても少なくとも私は体・顔・髪の全部は洗えない。初日に入った際、シャンプー中に冷たくなってきて大急ぎで洗い流した時には殆ど水だったので(今は冬です…)それ以来リスクは負わないことにして毎日のシャンプーを諦めたのだ。自分も含めて、子ザル2匹も熱いお風呂に浸からせてあげたいが、多分バスタブにお湯を張ったら体を洗うお湯はなくなるだろう…。大きなガス湯沸かし器だと、使い切ってもすぐに燃焼を始めるので連続して熱いお湯がでるらしいが、ここのはそうではないらしい。ションボリ。

 

ということで、残念ながら今のところ快適生活を送っているとは言いづらい(少なくとも私だけ)。日本では当たり前の、消費者目線に立ったお利口な家電製品が家事を助けてくれないし、便利な調味料にも事欠いているからだ。でもこの不便さこそが海外生活の醍醐味と言えるかもしれない。日本にいたら到底経験できない時代遅れの生活を体験した後帰国した暁には、日本の見るもの全てに感動するかもしれない。そうそう、そうやって前向きに考えよう...

 

 

 

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コメント: 1
  • #1

    kana (月曜日, 11 7月 2011 00:25)

    おぉ どうなったかと心配していましたが、とりあえず到着したのですね。 とりあえず・・・・
    私は異国の地で住んだことがないため、この便利な日本がフツー基準になっているため、おぉ おぉそうかそうかと といちいち驚きながらよんでますよ。

    シャワーが届かないなんて・・・アルゼンチン人はでかいのか???
    未知の国アルゼンチン