3月12日、大雨の中飛んでくれたカンタス航空はスムーズにシドニーを経由し、14日早朝、成田に着いた。9ヶ月前、アルゼンチンに向かうフライトはシドニーでチリ火山灰の影響を受け何日も欠航し、遂にはシドニーからロス、ダラスと乗り継ぐ弾丸36時間フライトで、ブエノスアイレスに着いた時には死人同然だった。それに比べたら、今回のフライトは全部合わせて30時間。もう楽勝である。子ザル達も地上にいるのと同じくらいリラックスし、よく寝、よく食べ、親の負担を最小限に減らしてくれた。
久し振りに見る日本は、何もかも整然としていた。バスも電車も新しくピカピカしている。窓口対応もテキパキとしている。更に実家に戻って、山に囲まれた風景に心の底から安堵し、9か月ぶりに思いきり深呼吸した。
同時に、バスや電車ですぐに席を譲ってくれる親切なアルゼンチン人にすっかり甘やかされた私は、そうじゃない日本に改めてガッカリもした。周りの他人が手を差し伸べて助けてくれるのが普通じゃない、という現実を思い出した。母としては、アルゼンチンより日本で暮らす方が、強くなければならないのだ。
9ヶ月間、言葉や生活面で不便な生活を送った後の日本は、快適さがジーンと身に浸みる。指で押すだけで付くコンロも(あちらではマッチが必要だった)、追炊きシステムも、風呂桶から水が出ても気にしなくていいとか、外を歩くとき子供を野放しにしてもいいとか(いや本当は良くないんだろうけど)、言葉が通じるとか。全てに感謝してしまう。
アルゼンチンでの生活で学んだもの、それは物欲を抑制することと、日本では考えられない不便さへの忍耐である。書くと長くなるので超省きますが、これまでの自分の価値観、というか生活態度を見直すいいきっかけになったと思う。今のこの感覚を忘れず、質素で楚々とした新生活を送ることが今年の抱負、です。
もうつまらないファッション雑誌も、ナチュラル思考のママさん雑誌も読むまい。バラエティ番組も観ないぞ。いくら面白くても。自分自身しか本音を話す相手がいなかった日々で、日本での垢が取れて幾分ツルっとした気分。これを持続させるのだ。持続させるのだ。ムラムラ。
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てっちゃん (日曜日, 01 4月 2012 12:49)
無事に帰国できたようで安心しました。
しばらくは、ご実家暮らしになるのかな?
世界各地で暮らして、他の人では経験できない経験を積み、本当に尊敬します。
いつか、逢えたらいいね♪♪
ともかく、しばらくはゆっくりしてね~!!