2011年

12月

15日

突然ですがオススメDVD

1週間ほど前に、TVでたまたま『The Family Man(邦題:天使のくれた時間)』をやっていた。何年も前に確かレンタルして観た記憶がある。おっ好きな映画がやってる!と思ったけど、既にストーリーは終盤。あ~~もっと前から観たかった、とガッカリしてたら、今夜またやってました!(こちらでは同じ映画をスペイン語吹き替えだったり英語のままだったり、とにかく何回も何回も繰り返し放送している)

それもまだ始まったばかりじゃないか!それコーヒーとお菓子の用意...と色めき立ってじっくり観たら、やっぱりすごく面白い。

 

ストーリーは...アマゾンのDVD解説をそのまま載せますが、

 

『ウォール街の企業の社長として成功している男ジャックはクリスマスイブの夜に妙な黒人男と出会う。その翌朝目覚めると、13年前に別れたはずの恋人と家庭を築き、2児の父となった「もう1人のジャック」となっていた。自動車用品店での仕事、典型的な郊外住まいの隣人たち、そして妻や子どもがそばにいる暮らし。それまでの人生とはあまりにも違う生活だったが、その生活を続けるなかでジャックはあることに気付いていく…。』

 

というファンタジーもの。だが見くびるなかれ。この歳になると誰もが一度は、「あの時、あの瞬間、別の選択をしていたら今頃どんな人生だっただろう」と思うことがある筈だと思う。オトナになって10年以上経てば、誰にだって人生の岐路がある。もしあの時、ああしていたら...。

この映画は、13年前にそうした人生の岐路を経験した男性が、もう一つの”なりえた自分”の人生に不思議な力によってポンと放り出されるところからスタートする。

ニコラス・ケイジは当然いいが、妻役の女優さんがとにかく可愛らしくてステキ。そして彼女のセリフがことごとくグサっと胸に刺さる。きっと観ている私と劇中のニコラスは同じ顔をしているに違いない...。

 

この映画を観ると、今手元にある幸せを、それがどんなものであるにせよ、大事にしなければならない、と思えます。もし観てない方は是非レンタルで!昔観たという方も、今観ると違った見方が出来るかもしれませんよ...

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2011年

12月

12日

初めての誕生日会

アルゼンチンで知り合ったフランス人の友達が、息子さんの3歳の誕生日パーティに招待してくれたので、4連休の最終日にウホウホ出掛けた。

ブエノスアイレスには、誕生日パーティー用の子供向けサロンが沢山ある。子供達をエンターテインし、パーティの司会進行までしてくれるから、親は殆ど何もしなくていい。

 

実はうちの子ザルたちが誕生日会に参加するのは、今回が初めてである。

保育園のクラスメートから次から次へと招待状を貰ってくるが(こんなにいたっけ??と思うくらい貰ってくる)、一度として行ったことがない。きっと巷では、失礼な日本人めと罵られているに違いない。が、やはり行けない。理由はもちろん、言葉が出来ないから!

せっかくだから行けばいいのに、と自分でも思うが、私だけでなく子ザル達も(あまり)話せないと来てるから、知り合いのママさえいない私としては、どうしてもお尻が重くなる。子ザル同士で遊ばせるだけなら、保育園で遊べばいいから、まぁいいだろうと思ってプレゼントとカードだけ先生に預ける形で、パーティは全てパスしている状態だ。

 

そんな失礼な日本人家族が、始めて出席した誕生日会。

どうだったかというと...知らない場所、知らない人たちに囲まれて、子ザルが固まる。私も固まる。

ゴハンでも食べようかなぁ~と思っても、完全に人見知りモードに入った子ザル2匹が両脚にしがみついている。スタッフのお姉さん達が子供達を集めて余興をしてるのに、頑として遊び場を離れず、かといって私の姿が見えなくなると、大声で呼び始める始末。英語を話す人がいて、やっと会話が始まっても、どこからともなく「ゆーちゃ~~~~~ん!」と呼ばれるので、その都度話す相手と座る席を無くす。

それでもパーティの終盤になって、久寿玉から大量のお菓子を降らせ、それを子供達が拾って袋に詰めるという余興だけはしっかり参加していた(ウタはその袋をどこかに置き忘れてきたけれど...)。そして場に慣れた頃になって、パーティはお開きになったのだった。あ~ホッとした...

 

社交的な場所はやっぱり苦手だったが、何が素晴らしかったって主役のおじいちゃま(パーティのスポンサーだそう)が子供達のところを順次まわってビデオを撮っていて、両親よりも熱心だった。ウタを膝に乗せて一緒にビデオを撮らせてくれたりと、とってもスウィート。おばあちゃまも同じ位、可愛らしくて親切。

フランス人の友人は、そんな義父母がいて自分はとても幸せ者だと言っていた。旅費が高くて余りフランスに里帰りできないそうだが、実の娘同然に可愛がってくれる義父母のおかげで、アルゼンチンでの暮らしに大満足とのことだ。そんな幸せな家族の幸せなパーティに招かれて、チラっと新しい世界が垣間見れたのは良かったです...

 

 

 

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2011年

12月

02日

保育園の発表会

12月はアルゼンチンでは学校の年度末に当たる。これから夏休みに入って、3月から新学期がスタートするのだ。

ということで、子ザル達の通う保育園でも12月1日に学期末発表会が催された。クラス毎に出し物が違うのは日本と同じだが、こちらでは親が衣装を用意しなければならない。因みにラクのクラスは女の子は全員バレリーナで、ピンクのトップスにピンクのチュチュ、ピンクのバレエシューズ、髪は2つに分けて結ぶこと、とかなり細かく指示されている。ウタについては、お題が「キリン」となっていて、黄色の上下服にオレンジ色の(キリン)柄を付け、キリンの頭を被る、と書かれていた。

 

これだけ書かれていても、正直よく良く分からない。言葉が通じれば、もっと細かく先生に聞くところだがそれもままならない。頼みの通訳(ダンナ)はそろそろ始まる資格試験勉強で頭が一杯なので、怖くてあまりうるさく突つけない。

仕方なく、ダンナの仕事仲間でもあるアルゼンチン人の友人の奥さん(パウラ)を呼び出し、教えを乞うことにした。

保育園からのメモを一読した彼女は、フンフンと大きく頷きながら「まず、」と話し出した。

「ラクについては、用意するのは簡単。問題は、クラスの子全員が同じ衣装を揃えるか、それとも個々で勝手に買い揃えるかを確かめないと。ヤル気満々の親がいる場合、その人が仕切って同じ衣装を揃える場合があるから。あとウタだけど、キリンは彼ひとり?他にもキリンになる子がいるなら、親に連絡して同じ店でレンタルした方がいいわよ。」

保育園に知り合いママがいないと泣きつくと、彼女はその場で保育園に電話をし、そこで紹介してくれたママにも連絡を取り、ラクのクラスについては個々で勝手に衣装を揃えるということと、どこでバレリーナ衣装を買えるかという情報まで仕入れてくれたのだ。更には後日一緒に店まで行き、通訳をしてくれて無事にラクの衣装を揃えることができた。

 

歳の離れた女の子2人のママであるパウラは、長女を小学校の6年間私立に入れていたことで、やはり年度末発表会の準備に奔走したそうで、毎年お金がかかって大変だったと嘆いていた。次女は公立の保育園に通わせているが、そちらでは発表会はあれど、親に衣装を揃えるよう要求することはないらしい。親同士の新密度も私立の方が高いようで、仕事を持って日々忙しく過ごす彼女にとっては公立の方が有難いのかもしれない。

 

ということで、当日。

本格的なシアターを貸切りにして始まった保育園の発表会だが、小さな保育園なのに200人以上入ると思われる客席は満席で、高揚感を誘う演出と音楽のなか、終始ラテンなノリで先生と子供達のダンスが続いた。

そう、保育園の出し物は、兎にも角にもノリノリなダンスだったのです。

ノリノリといっても、子どもらしい”ノリノリ”ではない。ここはクラブですか??と思うようなダンスミュージックと照明で、親までノリノリ。日本人さえノリノリ。

 

日本の保育園では、発表会でも運動会でも泣き顔しか見せなかったラクだが、今回は自分こそが主役のような顔をして、堂々と踊っていた。親は2人で口あんぐりである。しかしながら、ラクのバレリーナ姿は我々にとっては可愛かったが、クラスメートの中では最も地味だったことを付け加えておこう。一番親の気合いが足りなかったとも言える...


そしてウタ。今回の日記はウタが主役です(そういえばそうだった)。

彼のもらった「キリン」というお題は、クラスの中で最もハードルが高かったことは間違いない。

というのも、何をどうしてもキリンの頭が前に垂れてくる。その姿は、遠目で見ると落ち込んで肩を落としている馬のようだ。ちょっとキリンには見えない。ジャマなキリンの頭を気にしつつもダンス系ミュージックに合わせて飛び跳ねるウタの姿は、涙と笑いを誘った。いや笑いの方が大きかった。

元気に飛び跳ねるライオンやカバや鳥の中で、動きを封じられ、肩を落とした馬、いや、キリン。それでも最後は頭をボヨンボヨン揺らしながら、飛んでいた。えらいよアンタ...


日本の保育園の発表会は、先生達の綿密な計画と周到な準備のもとで、何週間も前から練習を重ね、その練習の成果を見せる場であった。子供達の衣装や小道具は全て先生たちの手作りで、そのアイデアと器用さはため息モノ。きっと毎日残業して作られたのだろうから、それを想うだけで涙が出そうになる。出し物も、小さい子は踊りだが、大きくなれば長い劇が展開される力の入れようである。

反してアルゼンチンでは、衣装は親に一切を任せ、出し物は踊りだけ。練習もしただろうが、真剣さは感じられない。ノリが命で、当日は楽しめればいいという感じがする。ラテンミュージックと明るい国民性で、発表会は親ともども素晴らしく盛り上がった。拍手と口笛が飛び交い、リラックスした雰囲気のなかで、最後は親も子もステージに上がって音楽に合わせて踊る。

 

というわけで、ウタのキリン、お楽しみください。

 

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